
アニメで大ヒットを記録した『その着せ替え人形は恋をする』が実写ドラマ化されましたが、放送直後から「ひどい」「がっかり」といった厳しい声が相次いでいます。
なぜここまで批判されてしまったのか?この記事では、キャストのミスマッチ、原作改変、演出の問題など、視聴者の声をもとに徹底検証します。
『着せ恋』ドラマ版とは?

『その着せ替え人形は恋をする』(略称:着せ恋)は、福田晋一による大人気漫画を原作とし、2022年のTVアニメ化によって一気にブームとなりました。アニメでは、コスプレ好きな女子高生・喜多川海夢と、雛人形職人を目指す内気な男子・五条新菜とのピュアで刺激的な恋模様が、繊細な作画と演出で描かれ、多くのファンを獲得しました。
そして2024年、満を持して実写ドラマ化が決定。放送はTBS系、主演には注目の若手俳優陣が抜擢されました。しかし放送開始と同時に、SNSやレビューサイトでは「ひどい」「がっかり」「原作レイプ」とまで言われる批判の声が相次ぎます。実写化ゆえの制約や演出方針が、原作ファンの期待に応えきれなかった背景があるようです。
「ひどい」と言われる理由は?【SNSやレビューを調査】

ビジュアルやキャストのミスマッチ
もっとも多くの批判が寄せられたのがキャスト選びとビジュアル表現です。とくに主人公・喜多川海夢は、アニメでも“完璧な美少女”として描かれていたため、実写化のハードルが非常に高く設定されていました。
演じた女優のビジュアルは「ギャルっぽすぎる」「まりんというより量産型インフルエンサー」といった声が続出し、五条役の俳優にも「陰キャ感が足りない」「美形すぎてリアリティがない」などの指摘が見られました。特にアニメの世界観を大切にしていたファンにとって、実写のビジュアルは大きな違和感となったようです。
「喜多川海夢は“ギャル”じゃなくて“オタクの理想郷”なんだよ…」──Xユーザーの投稿
原作改変・オリジナル展開への批判
ストーリーの流れにも大きな違和感を感じたという声が目立ちます。ドラマでは、放送回数の制限や地上波の視聴層を意識した構成により、エピソードの順序が入れ替わったり、原作にない展開が加えられています。
特に、アニメで印象的だった「ランジェリー撮影回」や「文化祭コスプレ」など、ファン人気の高いエピソードが削除・改変されたことにショックを受けた視聴者も多数。また、ドラマオリジナルのキャラクターやイベントの追加により、物語の焦点がぶれたと感じた人も少なくありません。
「改変して“別物”にするなら、着せ恋の名前を使わないで」──Filmarksレビューより
演技力・演出・テンポへの不満

演技や演出面に関する不満も多く寄せられています。主人公2人のやりとりがぎこちなく感じられたという意見や、感情表現が浅い、間の取り方が不自然など、リアルな空気感を求めるドラマ視聴者の目には厳しく映ったようです。
演出も、アニメのポップでテンポ感ある演出とは異なり、淡々とした進行が多く、「緊張感や高揚感が足りない」との声も。特に“恋愛のときめき”や“コスプレの楽しさ”といった着せ恋特有の魅力が感じられにくい構成だったことは否めません。
「演出がぬるくて、アニメの感動を思い出せない…」──Xより
一方で好意的な意見も?
ただし、すべてが否定的な意見ばかりではありません。一部の視聴者からは、「現実味のあるコスプレ再現がよかった」「初心者でも物語に入りやすい」といった好意的な感想も見られます。
また、アニメや原作に触れていない層にとっては、“ライトな青春ラブストーリー”として楽しめたという声も。とくにティーン層からは「かわいい」「キュンとした」という評価が散見され、ターゲット層を変えることで一定の満足度を得ているとも言えます。
原作の重厚さを期待していた層と、新規でふんわりと楽しみたい層の間で、評価が大きく割れた結果となったのです。
原作・アニメとの違いとは?
ここで、実写ドラマと原作・アニメの明確な違いを整理しておきましょう。
- 喜多川海夢の“理想感”が現実寄りに弱体化
- 五条くんの内面描写(人形職人としての葛藤など)が薄い
- 名場面の削除や改変(アニメで泣いたシーンがまるごとカット)
- モノローグや心の声が少ないため感情の深みが伝わらない
こうした点が、“再現性”や“感動の再現”を求めたファンにとっては、「ひどい」と感じさせる大きな要因になっています。
まとめ|原作ファンは見るべき?避けるべき?
結論として、ドラマ版『着せ恋』は「原作やアニメの魅力をそのまま再現した作品」ではありません。むしろ、“着せ恋”という名前を借りた、新しいラブストーリーと見るべきです。
そのため、原作やアニメに強い思い入れがある人には、違和感を覚える可能性が高いです。一方、キャラクターや恋愛模様をライトに楽しみたい人、ファッションやコスプレ文化に興味がある人にとっては、気軽に楽しめる作品とも言えるでしょう。
おすすめの視聴スタイルは以下の通りです
- 原作ファン:期待値を下げて“別物”として鑑賞する
- 初見視聴者:1話を観て「合う」と感じたら続行
「ひどい」と感じるか、「思ったより良い」と感じるかは人それぞれ。まずは一度観て、自分の目で確かめるのが一番です。