日本の女優の中でも、とてつもない存在感を出す女優の樹木希林さん。彼女の代表作の中でも見た方が絶対にいい作品を紹介します。歳を重ねると共に凄みの増してくる演技にも注目です。遺作になってしまった『命みじかし、恋せよ乙女』のあらすじも紹介します。
樹木希林さんの映画、代表作や遺作を紹介【絶対に見た方がいい7作品】
あん
物語は、どら焼き屋の雇われ店長・千太郎が、求人張り紙を見て働きたがる老女・徳江を雇ったことから始まります。徳江は、かつてハンセン病療養所であんこを作り続けていました。彼女の作るあんこは、千太郎の作るどら焼きの味を引き立て、店はみるみるうちに繁盛していきます。
しかし、徳江の過去を知ったある噂が広まり、店は窮地に陥ります。それでも、千太郎と徳江は、お互いを支え合い、店を守るために立ち向かいます。
映画『あん』は、ハンセン病という差別や偏見をテーマにした作品です。しかし、それだけではなく、生きることの素晴らしさや、人と人がつながることの大切さも描いています。
主人公の徳江は、ハンセン病というハンディキャップを抱えながらも、あんこ作りに情熱を注ぎ、生きる希望を持ち続けます。千太郎もまた、徳江との出会いを通して、自分の人生を見つめ直し、新たな一歩を踏み出します。
映画『あん』は、温かく優しい物語でありながら、私たちに深く考えさせてくれる作品です。
わが母の記
物語は、昭和39年、小説家の伊上洪作(役所広司)が、父の死をきっかけに、記憶障害が進行する母・八重(樹木希林)の面倒を見ることになるところから始まります。
洪作は、幼少期に母親に捨てられたと思い込んでおり、八重に対して強い憎しみと怒りを抱いていました。しかし、八重の介護を通して、洪作は母親の真実を知ることになります。
八重は、洪作の父親を愛していたが、父親の暴力に耐えきれず、洪作を連れて家を出ていました。洪作は、母親が自分を捨てたのではなく、自分を守るために家を出たのだと知ります。
洪作は、八重への憎しみや怒りを乗り越え、母親と向き合うようになります。そして、二人は、10年間にわたって、愛情と絆で結ばれた親子になっていくのです。
映画「わが母の記」は、家族の愛と絆を描いた感動作です。洪作と八重の親子関係は、複雑で難しいものでしたが、二人は、お互いの愛情と理解によって、乗り越えていくことができます。
万引き家族
ある日、治と祥太は万引きの帰りに、団地の廊下で凍える幼い女児、ひかりを拾います。治はひかりを家に連れ帰り、家族に迎え入れます。
5人は、ひかりを養子に迎え、新しい家族として暮らし始めます。しかし、ひかりは実は行方不明になった少女であることが判明します。警察の捜査が迫る中、5人の家族の未来は大きく揺れ動きます。
『万引き家族』は、第71回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した、是枝裕和監督の代表作です。家族の絆や愛情をテーマに、社会の片隅で生きる人々の姿を温かくも切なく描いた作品です。
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
物語は、1960年代の筑豊の炭鉱町で始まります。主人公・ボクは、父親の暴力から逃れるために、母親と二人で東京に引っ越します。母親は女手一つでボクを育て上げますが、ボクは反抗期を迎え、母親との間には溝が生まれます。
やがてボクは、東京で漫画家として成功します。しかし、母親の病気が発覚し、ボクは母親を東京に呼び寄せます。母親は、ボクのそばで静かに最期を迎えます。
映画は、ボクと母親の絆を、ユーモアと感動を交えて描いています。ボクと母親は、お互いを理解し合うことも、時にはぶつかり合うこともしますが、いつまでも心の底で結びついています。
日日是好日
主人公の典子は、大学で演劇を専攻していますが、将来の目標も夢も定まらず、漠然とした不安を抱えています。そんなある日、母親から茶道を習うことを勧められます。典子は乗り気ではありませんでしたが、いとこの美智子も茶道を習うことを決めたことから、一緒に茶道教室に通うことにします。
茶道教室の先生は、武田のおばさんと呼ばれる、厳しくも優しい女性です。武田のおばさんの指導のもと、典子たちは茶道の基本を学び始めます。最初は戸惑うことも多かった典子も、次第に茶道の奥深さに魅了されていくようになります。
茶道を通して、典子は自分の心と向き合う時間を持つようになります。また、茶道を通じて出会った人たちと交流することで、人生の大切なものを見出していきます。
モリのいる場所
昭和49年の東京・池袋。30年以上もの間、ほとんど家の外へ出ることなく庭の生命を見つめ描き続けたという熊谷守一=モリのエピソードをベースに、晩年のある1日を、「モヒカン故郷に帰る」「横道世之介」の沖田修一監督がフィクションとしてユーモラスに描いていく。
モリこと熊谷守一は、昭和初期に活躍した日本画家です。彼は、30年以上もの間、自宅の庭でさまざまな生きものたちを眺めて日々を過ごしました。庭には草木が生い茂り、たくさんの虫や猫が住み着いていました。それら生き物たちはモリの描く絵のモデルであり、じっと庭の生命たちを眺めることが、30年以上にわたるモリの日課でした。
映画では、そんなモリの晩年のある1日が描かれます。モリは、妻の秀子と2人で暮らしていました。秀子は、モリの絵を支え続けた理解者です。モリの家には、毎日のようにさまざまな人々が訪れます。モリの絵を愛する芸術家や、モリの生き方に興味を持つ人々などです。
映画は、モリと秀子、そして彼らを取り巻く人々の温かな交流を描いています。モリの独特の生き方は、現代の私たちにも多くのことを教えてくれます。
【遺作】命みじかし、恋せよ乙女
ドイツ・ミュンヘンで一人暮らしをするカール(ゴロ・オイラー)は、酒に溺れて仕事を失い、妻は幼い娘を連れ家を出てしまいます。孤独に苦しむ彼のもとに、ある日、ユウ(夏木マリ)という日本人女性が訪れてくる。ユウは10年前に東京を訪れていたカールの父ルディと親交があり、ルディの墓と生前の家を見に来たのだという。
カールはユウと行動を共にするうちに、自らの過去と向き合っていくことになります。ユウの優しさと強さに触れ、彼は次第に生きる希望を取り戻していきます。しかし、ユウは突然、姿を消してしまいます。
この映画は、人生の再生を描いた作品です。カールはユウとの出会いをきっかけに、過去の失敗や挫折を乗り越え、再び前を向いて歩き始めます。ユウは、カールの人生に大きな影響を与えた存在です。彼女の存在は、カールに生きる意味と希望を与えてくれます。
映画のタイトルは、日本の歌謡曲「命みじかし恋せよ乙女」から取られています。この歌は、人生は短いからこそ、今を精一杯生きることの大切さを説いています。この映画は、この歌のメッセージが込められた作品だと言えるでしょう。
樹木希林の生涯と業績
樹木希林さんは、日本の女優であり、その豊かな表現力と深い人間性で多くの人々に感動を与えました。彼女の生前の言葉は、心に響く珠玉の言葉や感動する格言として多くの人々に愛されています。株式会社宝島社が発売した書籍『樹木希林 120の遺言』では、彼女の生前の言葉を集めた名言集が収録されています。
樹木希林(きき きりん)は1943年1月15日に東京市神田区(現・東京都千代田区)で生まれました。彼女は若い頃から演技の才能を発揮し、多くの映画やドラマで主演を務めました。彼女の演技はその深みとリアリティで知られており、数々の賞を受賞しています。
樹木希林の代表作の一つは、黒澤明監督の映画『乱』です。彼女はこの映画で主人公の妻を演じ、その演技が高く評価されました。また、彼女はテレビドラマや舞台でも活躍し、幅広い役柄を演じることができました。
彼女の演技力だけでなく、その人間性や思想も注目されています。彼女は常に真剣に役に向き合い、役柄に完全に没頭することで知られています。また、彼女は社会的な問題にも積極的に取り組み、環境問題や女性の権利などに関心を持っていました。
樹木希林の名言集・格言集
ここでは、樹木希林の名言集・格言集から特に心に残る言葉をピックアップして紹介します。
幸せというのは「常にあるもの」ではなくて「自分で見つけるもの」
幸せとは何か、と考えることは多いですよね。樹木希林さんは、「幸せというのは『常にあるもの』ではなくて『自分で見つけるもの』」と言っています。彼女は幸せは外部の状況や物質に依存するのではなく、自分の心の中にあるものだと考えていました。
この言葉は、私たちがいつも幸せを求めているけれど、実は幸せは自分自身の中にあることを教えてくれます。自分の心を大切にし、自分自身が幸せを見つける努力をすることが大切なのです。
どうぞ、物事を面白く受け取って愉快に生きて。あんまり頑張らないで、でもへこたれないで。
樹木希林さんは、人々に対して「どうぞ、物事を面白く受け取って愉快に生きて。あんまり頑張らないで、でもへこたれないで。」と伝えています。彼女は人生を楽しみ、笑顔で過ごすことの大切さを説いていました。
この言葉は、私たちが常に頑張らなければならないと感じているけれど、実は自分自身を大切にしながら、楽しみながら生きることが大切だと教えてくれます。頑張りすぎず、自分を労わりながら、人生を楽しむことが大切です。
失敗したらね、そこからスタートなの。あんまり深く考えない。
樹木希林さんは、失敗についても次のように言っています。「失敗したらね、そこからスタートなの。あんまり深く考えない。」彼女は失敗を恐れず、それを新たな出発点と捉えることの大切さを説いています。
この言葉は、私たちが失敗を避けようとしているけれど、実は失敗から学び、成長することができると教えてくれます。失敗は人生の一部であり、それを受け入れながら前に進むことが大切です。
世の中をダメにするのは老人の跋扈(ばっこ)。時が来たら、誇りを持って脇にどくの。
樹木希林さんは、老人の役割についても考えを持っていました。「世の中をダメにするのは老人の跋扈(ばっこ)。時が来たら、誇りを持って脇にどくの。」と言っています。彼女は老人の責任や役割を語り、時が来たら誇りを持って後進に場を譲ることの大切さを説いています。
この言葉は、私たちが年を重ねることに不安を感じることもあるけれど、実は自分の経験や知識を持って後進を支えることができると教えてくれます。老いてもなお、誇りを持って自分の役割を果たすことが大切です。
いまなら自信を持ってこう言えます。今日までの人生、上出来でございました。これにて、おいとまいたします。
最後に紹介する言葉は、「いまなら自信を持ってこう言えます。今日までの人生、上出来でございました。これにて、おいとまいたします。」です。これは樹木希林さんが自分の人生を振り返って語った言葉です。
彼女は自分の人生に満足し、自信を持って語ることの大切さを教えてくれます。自分の人生に後悔せず、誇りを持って生きることが大切です。
まとめ
樹木希林の名言集・格言集からは、彼女の深い人間性と生き方について学ぶことができます。幸せを自分自身で見つけること、楽しみながら生きることの大切さ、失敗を受け入れて前に進むことの重要性、老いても誇りを持って役割を果たすこと、そして自分の人生に自信を持つことなど、彼女の言葉は私たちに多くのヒントを与えてくれます。
樹木希林さんの名言集・格言集は、彼女の人生と演技の才能を称えるものです。彼女の言葉は多くの人々に勇気と希望を与え、人生の指針となるものです。
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