映画『宮本から君へ』は多大な反響を呼んでいますが、一部には問題視する声も多く挙がっています。本稿では、その問題となるシーンを中心に、映画のメッセージや描写について詳しく分析していきます。
この記事では
- 「宮本から君へ」のレイプシーンについて
についてご紹介してます。
映画のあらすじ
本作は、新井英樹の同名漫画を原作とした、文具メーカーに勤務する宮本浩が、恋や仕事に全力でぶつかり、生き方を模索しながら成長していく姿を描いた人間ドラマです。
大学卒業後、文具メーカー「マルキタ」に就職した宮本浩(池松壮亮)は、世辞が苦手で不器用すぎる自身の未熟さを痛感していた。彼は社会の中での自分の存在意義について悩みつつも、恋や仕事に全力でぶつかり、生き方を模索しながら成長していく。
ある日、宮本は、会社の先輩・神保(松山ケンイチ)の仕事仲間である、自立した女・中野靖子(蒼井優)と恋に落ちる。靖子に呼ばれて自宅で食事をしていたところ、彼女の元カレ・裕二(井浦新)が現れ、修羅場に。その場をうまく収めた宮本は靖子と結ばれるが……
宮本は、営業職としての仕事で、ライバル営業マン・益戸(北村匠海)の嫌がらせを受けて大口の仕事を奪われてしまう。また、靖子との恋愛も、裕二の執着によって、なかなかうまくいかない。
しかし、宮本は、不器用ながらも、持ち前の正義感と熱意で、仕事や恋に向き合い、成長していく。そして、ついに、裕二との決着をつけ、靖子との恋を実らせる。
映画のラスト、宮本は、営業成績でトップになり、靖子と結婚する。そして、マルキタの営業部長に昇進する。宮本は、自分の努力と信念で、社会で成功を収め、幸せな家庭を築く。
本作は、社会人として、恋愛において、成長していく主人公の姿を、リアルかつ爽やかに描いた作品です。池松壮亮と蒼井優の好演も光り、多くの観客の共感を得ました。
問題のレイプシーン
問題になったレイプシーンでは真淵拓馬(一ノ瀬ワタル)が泥酔した宮本を介抱しているかのように装い良い人ぶって宮本のアパートに上がり込みます。
宮本が爆睡していることを確認すると真淵拓馬(一ノ瀬ワタル)は豹変!トイレから出てきた宮本の彼女である中野靖子(蒼井優)に襲い掛かる。
映画の中で一番の問題となったのが、靖子がレイプされるシーンです。このシーンが描かれたことで、観客からは様々な意見が寄せられました。
視聴者の意見
- 最後まで見れない
- モヤッとする
- リアルすぎて
- 豹変が恐い
- 良い人を装っている
- ラガーマンてこんな人多そう
このレイプシーンは、映画のストーリーに絶対必要だったのか、という疑問が一部の映画評論家から提起されました。また、このような重大な事件を描くことで、映画が性暴力の問題を適切に扱っているのかという疑念も呈されています。
似たように宅飲みレイプは多い
女性を酔わせて宅飲み後に襲い掛かる男性は多いと言われている。男性からすれば一緒に飲んでるからそういう雰囲気になったというかもしれないが、女性が嫌がっていれば立派なレイプです。
女性も安易に男性宅で飲んだりしないことです。飲酒により理性が保てなくなる男性も多いので手を出されるかもしれません。友達や彼氏の友達だとしても簡単に男性を信用してはいけません。
そういう警告を兼ねた映画の内容になっていると考えると、男性の凶暴な一面を知ってもらえるので女性に見てほしいです。トラウマレベルなので恐いですが、『親元を離れる子供』などには見てもらいたいような見せたくないような。
原作との比較
原作のマンガでは、このシーンはもっと複雑に描かれています。靖子のレイプをきっかけに、宮本が「彼女を守る」ということとどう向き合い、どのように自分の葛藤にけりをつけるかという方向に物語が進んでいきます。しかし、映画ではこの部分が省略され、観客には混乱と疑問を残しました。
性暴力の表現について
性暴力が描かれた作品に対しては、その表現方法について常に議論があります。『宮本から君へ』も例外ではありません。この映画が性暴力をどのように表現し、それが問題であるとされるのかについて、以下で詳しく説明します。
原作の性暴力表現
原作マンガでは、性暴力は女性を弱者にし、男性の強さを正当化する手段として描かれています。宮本が靖子を守るという彼の決意は、彼が自分自身の力を見せつけるための手段として利用されています。
映画の性暴力表現
映画では、性暴力のシーンが原作よりも簡略化され、その結果、観客には混乱と疑問を残しました。映画における性暴力の表現は、観客に対して直接的で、それが一部の観客から問題視されています。
映画と男女格差
『宮本から君へ』の物語は、男性が女性を守るという古典的なテーマを描いています。しかし、その描写は男性中心的な視点から行われており、ジェンダーバイアスが存在します。
原作の男女格差
原作マンガは、男性と女性の二元的な性差別的な視点から物語が進められます。女性は男性社会にとって都合の良い存在としてしか描かれておらず、性暴力が描かれる場面でも、被害を受ける女性よりも加害者の男性に焦点が当てられています。
映画の男女格差
映画もまた、原作と同様に男性中心的な視点から物語が進められます。性暴力のシーンでも、靖子の感情よりも宮本の反応に焦点が当てられ、性暴力の被害者である靖子の視点が無視されています。
各意見の分析
『宮本から君へ』に対するさまざまな意見を分析することで、映画がどのような問題を引き起こしているのか、またそれがどのように解決可能かについて考えてみます。
批判的な意見
この映画に対する批判的な意見の中心は、性暴力の表現とジェンダーバイアスにあります。レイプシーンが必要なかった、或いはもっと適切に描かれるべきだったという意見や、映画が男性中心的な視点から物語を描いているという意見が挙げられます。
肯定的な意見
一方で、映画が宮本と靖子の関係を描くことで、人間の複雑な感情や愛の形を描き出しているという肯定的な意見もあります。また、靖子がレイプ被害を乗り越えて立ち直る姿を描いている点も評価されています。
最後に
映画『宮本から君へ』は、多くの議論を呼び起こす作品となりました。性暴力の表現やジェンダーバイアスについての問題提起は、映画だけでなく社会全体にとって大切なテーマであり、これからも議論を深めていくべきだと思います。
これらの議論を通じて、映画がどのように社会的な問題を扱うべきか、また観客がその表現をどのように受け取るべきかについて考える機会となればと思います。
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