『ブレット・トレイン』がひどい?評価が真っ二つな理由と魅力

ブレット・トレインは「ひどい」?批判される理由とは
- 映画『ブレット・トレイン』に対する否定的意見の具体例
- 日本描写や設定改変が問題視される理由
- 原作ファンや日本の観客が抱いた違和感
映画『ブレット・トレイン』は、そのスタイリッシュな演出と豪華キャストで注目を集めた一方、「ひどい」「最低」といった否定的な声も少なくありません。
地理的・文化的なツッコミどころ
たとえば、「新幹線が道頓堀や秋葉原を走る」など現実にはあり得ない描写や、登場する「ゆかり号」といった架空の列車名が、リアリティを欠く演出として問題視されました。
炭酸水1本が1,000円のバーや、英語を話す日本人だらけの乗客、新幹線の破壊描写などは、日本人の感覚からかけ離れていると受け止められました。
原作ファンの期待を裏切る大胆な改変
原作小説『マリアビートル』では、舞台が「はやて号」、主人公が「木村雄一」など、日本的で繊細な設定が魅力でした。
特に「王子」が女子高生「プリンス」に変更されたことにより、原作の持つ緊張感や緻密さが薄れたと感じるファンも多かったようです。
海外の評価は真逆?『ブレット・トレイン』の好意的レビュー
『ブレット・トレイン』は、日本国内では評価が分かれる一方で、海外ではポジティブな意見が目立ちます。
批評家によるポジティブな評価
米IndieWireは「良い映画ではないが、ブラッド・ピットが魅力的で観客を楽しませる」とし、本作のエンタメ性を評価しています。
コメディ要素やビジュアル、キャラクターの掛け合いがハリウッドならではの軽快さを生んでおり、Z世代やポップカルチャーファンに受け入れられやすい作品と言えます。
観客との評価のギャップ
Rotten Tomatoesでは批評家評価53%と振るわない一方で、IMDbでは7.3/10と比較的高評価を得ており、専門家と一般観客の評価にズレが見られます。
「日本では酷評されているが、海外では楽しんでいる人が多い」という声も多く、文化的背景の違いが評価の分かれ目となっているようです。
豪華キャスト紹介|キャラ設定と原作との違い
『ブレット・トレイン』の大きな魅力のひとつが、国際色豊かなキャストと個性的なキャラクター設定です。
主な登場人物と演者
キャラクター | 俳優(吹替) | 原作での対応 |
---|---|---|
レディバグ | ブラッド・ピット(堀内賢雄) | 七尾 |
マリア・ビートル | サンドラ・ブロック(米倉涼子) | 真莉亜 |
プリンス | ジョーイ・キング(山本舞香) | 王子慧(中学生男子) |
タンジェリン | アーロン・テイラー=ジョンソン(津田健次郎) | 蜜柑 |
レモン | ブライアン・T・ヘンリー(関智一) | 檸檬 |
木村雄一 | アンドリュー・小路(阪口周平) | 木村雄一 |
エルダー | 真田広之(井上和彦) | 木村茂&晃子(両親) |
ホワイト・デス | マイケル・シャノン(立川三貴) | 峰岸良夫 |
ウルフ | バッド・バニー(木村昴) | 狼 |
ホーネット | ザジー・ビーツ(フワちゃん) | スズメバチ |
設定の違いと反応
プリンスが女子高生として描かれた点や、主要キャラが外国人に置き換えられた点に、原作ファンからは違和感の声がありました。
一方で、レモンとタンジェリンの掛け合いは映画独自のユーモアとテンポ感で、多くの観客に好評でした。
映画ラストのネタバレ解説|プリンスの最期と伏線回収
『ブレット・トレイン』の終盤では、伏線の数々が一気に回収され、各キャラクターの運命が明らかになります。
ホワイト・デスの復讐計画と衝撃の最期
ホワイト・デスは、妻の死に関係した者たちを新幹線に集め、復讐の舞台に仕立て上げます。その中には、レディバグやホーネット、タンジェリンとレモンも含まれていました。
最終的に、彼は娘プリンスが細工した拳銃を使って自分の頭を吹き飛ばし死亡。皮肉な結末を迎えました。
プリンスの正体と壮絶な死
プリンスは実はホワイト・デスの娘で、父への復讐を企てていました。彼女は爆弾入りのブリーフケースや細工銃を準備し、父の死を自作自演で演出しようとします。
しかしラストでは、レモンが運転するトラックにはねられ、あっけなく死亡。悪役らしい壮絶な最期でした。
このラストは、単なるアクション映画ではなく、因果応報や人間関係の皮肉を描いた伊坂作品らしさも感じさせます。
エンタメ作品として『ブレット・トレイン』を楽しむコツ
『ブレット・トレイン』は、原作やリアリティにこだわるよりも、ハリウッド流の娯楽として割り切って観ることで楽しめる作品です。
期待値を変えれば面白くなる
原作との忠実な再現を求めると物足りなさを感じるかもしれませんが、テンポの良さやビジュアルの派手さに注目すれば、また違った魅力が見えてきます。
むしろ「これはハリウッド版・ネオトーキョーSF風アクションだ」と捉えれば、細かいツッコミすらも楽しみの一部になります。
ターゲットはZ世代?
Z世代やSNS世代には、テンポの速いカットやポップな演出、多様なキャスティングが刺さりやすく、実際に高評価レビューも多く見られます。